第12週|他の人々をイエス様の弟子となるよう導く
- 247unitedprayerjap
- 6月28日
- 読了時間: 7分
鉄の門
ドン・マクラファティ 著
数年前、神様は私と妻のエイプリルを、小さな山の町に住まわせてくださいました。当時、私は谷にある教会で牧師として働いており、通勤には長い時間がかかりました。私たちはよく「なぜ神様はこんなに職場から離れた場所に住まわせたのだろう」と考えていました。
ある日、私たちは興味深い話を聞きました。私たちの小さなコテージからたった1マイルほどの場所に、裕福な夫婦が住んでおり、その人たちは40年以上も教会に来ていないというのです。彼らは広い土地に住み、大きな鉄の門が入口を守っており、人前に出ることはめったになく、特にその男性は教会や教会関係者を嫌っていると聞きました。私はその「鉄の門の向こうにいる男性」に神様の愛を届けるための機会が与えられるよう、祈り始めました。
ある美しい安息日(サバス)の日の朝、神様が私を早朝に目覚めさせてくださいました。私は山道を歩きながら、その男性のために祈っていました。
祈りながら歩いていると、ご近所の方が、手入れの行き届いた美しい邸宅の入口で誰かと話しているのが見えました。そのご近所さんが私に声をかけて言いました。「ドンさん、こちらに来てトムさんに会ってください。」
なんと、話していた相手は、まさに私が祈っていたその男性だったのです。私は神様の導きを感じ、大胆な質問をするよう促されました。自己紹介の後、「トムさん、一つお聞きしてもよろしいでしょうか?」と尋ねました。トムさんは少し驚いた様子でした。
「何の質問ですか?」と彼は警戒気味に答えました。
「あなたはイエス様の再臨の準備ができていますか?」と私は聞きました。唐突な質問に、彼は驚いた様子でした。
「いい質問ですね」と彼は眉をひそめて言いました。「イエス様の再臨に備えたいと思っています。妻にも備えてほしいですね。」 私は「お二人がイエス様の再臨に備えることができるよう、祈ってもよろしいですか?」と尋ねました。少し気まずい雰囲気でしたが、彼は「どうぞ」と肩をすくめました。
私はトムさんとご近所の方と一緒に祈り、山を下って教会に向かいました。正直に言えば、これがトムさんとの良い関係の始まりだったのか確信はありませんでしたが、神様に言われたとおりのことをしたとは思っていました。
後日、トムさんは私が早朝に何をしていたのか、ご近所の方に尋ねたそうです。その方が「祈る場所を探していた」と伝えると、トムさんはこう言いました。「ドンさんに、もし静かな祈りの場所が必要なら、私の敷地を使っていいと伝えてください。これが鉄の門の暗証番号です。いつでも自由に入って祈ったり聖書を読んだりできますよ。ここなら車や騒音に邪魔されることはありません。」
この知らせを聞いたとき、私は大喜びしました!神様は、まさに私が祈っていた男性の鉄の門の「暗証番号」を私に与えてくださったのです。
それからというもの、私は町にいる時は毎朝、トムさんの敷地に行って祈りました。しばらくはトムさんに会うことはありませんでしたが、ある朝、祈っていると彼の車が朝霧の中を通り過ぎるのが見えました。そのとき、神様が私の心にこう語られました。「あの車を追いかけなさい。そしてトムさんに特別な提案をしなさい。」
私は岩の上から立ち上がり、全速力で車を追いかけました。ちょうど彼が鉄の門のところで車を停めて何かを確認しているところに追いつきました。
「今、あなたの車が通るのを見ていて、神様が私に一つの提案をするよう導かれたのです」と私は話しました。
「どんな提案だい?」とトムさんは私をじっと見て尋ねました。
私は深呼吸をして言いました。「私はイエス・キリストの弟子として成長したいと思っています。もしよろしければ、これから12日間、毎朝6時にお会いして、一緒にイエス様の弟子になるとはどういうことかを探ってみませんか?」
トムさんは少しあきれたように、「朝6時?12日間も?なぜそんなことをしたいと思うのか想像もつかないよ。私は好きな時間に好きなことができるんだから」と答えました。
私は「このことについて、一緒に祈ってみていただけますか?」と尋ねました。
彼は笑って言いました。「もしあなたが祈っている間に、神様が私にそうするように言われたら、やってもいいよ。でも、そうでなければ絶対にしない。それだけははっきりしている。」
私はすぐにアスファルトの上にひざまずきました。すると驚いたことに、トムさんも私の隣にひざまずいたのです。私は心を込めて祈り、神様がトムさんとともにいてくださるよう、そして私たちが一緒に聖書を学ぶ道を開いてくださるよう願いました。
祈り終わって立ち上がろうとしたとき、トムさんが祈り始めました。そして祈りの最後に、「じゃあ、明日の朝6時に会おう」と言って車に飛び乗り、去って行きました。
それから12日間、毎朝私たちは祈り、神様の御言葉を読み、弟子となる意味を共に学びました。「祈る・学ぶ・実行する」それが毎朝の基本でした。私は、彼がイエス様との新しい経験をすることを期待していましたが、12日間の最後に、トムさんはただ「会えてよかったよ」と言って終わりました。
私は祈り続けましたが、数ヶ月何の進展もありませんでした。
ある朝、突然トムさんから電話がありました。とても動揺している声で、「ドン、今すぐ病院に連れて行ってくれないか?妻が病院を転院中で、今にも死んでしまいそうなんだ。お願いだから来てくれ」と言いました。
「もちろんです!」と私はすぐに車で彼を迎えに行きました。病院に着いたとき、彼は「妻と一緒に祈ってくれないか?」と頼みました。
私たちは一緒に病室へ行き、私は彼の愛する奥様のために祈りました。診断結果は深刻で、彼女が回復する可能性は非常に低いものでした。 私はただ神様に、私にはできないことをしてくださるように、そしてもしそれが神の栄光となるなら、彼女を回復させてくださるように祈りました。
神様は善いお方です。この状況の中で、神様はご自身の愛と力の証として彼女を癒してくださいました。数日後、トムさんから連絡がありました。「妻が聖書について色々と質問しているんだ。僕たちと一緒に聖書を学んでくれないか?」
こうして私たちは一緒に聖書を学び始めました。しばらくして、彼らはイエス様がそうされたように、全身を水に沈めるバプテスマを受けました。それは、自分たちの人生を完全にイエス・キリストにささげるという証でした。水から上がったその瞬間から、彼らはイエス様との新たな歩みを始め、今もその体験は続いています。
今では、私とエイプリルはあの小さな山の町には住んでいませんが、今でもあのかけがえのない夫婦のことをよく思い出します。かつて周囲の人々は、「あの夫婦は敷地の外に出ることはほとんどなく、会うのはほぼ不可能だ」と言っていました。私が初めてトムさんに出会ったとき、彼は何も必要としていないように見え、心に届く余地がないように思えました。
しかし、人が鉄の門を作る一方で、聖霊はその門を開く方法をご存知です。なぜなら、聖霊はすべての心の“暗証番号”をご存知だからです。
ドン・マクラファティは、世代を超えたリバイバルと弟子育成を目指すミニストリー「In Discipleship(イン・ディサイプルシップ)」の代表です。彼はこれまでに10冊以上の書籍を執筆しており、その中には、「祭壇への帰還(The Way Back to the Altar)」という弟子育成カリキュラムも含まれています。これは現在、「100日間の祈り」キャンペーンでも活用されています。
この証は、彼の著書の中でも広く読まれている『God Still Lives(神は今も生きておられる)』に収録されている実話のひとつです。奇跡の物語が満載の本書は、以下のリンクから全文を読むことができます。
現在、ドン牧師はゼネラルカンファレンス(世界総会)牧師部門をボランティアとして支援しており、世界中で「Back to the Altar(祭壇への帰還)」の祈りとリバイバルトレーニングをリードしています。2025年7月、セントルイスで行われるゼネラルカンファレンス総会では、祈りの部屋で「Back to the Altar」の祈りとリバイバルセッションを指導する予定です。
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